前川進介の政治日記

議会報告 2021.6.5

【令和3年6月一般質問全文⑵】丹波市が情報発信する内容と手段の改善について

●情報発信の内容:具体と抽象の概念でMECEできていない文章では理解しにくい


 まず、先ほど私が「わかりにくい」と評した「ごみ分別アプリ」内の、「ごみの出し方」–「燃やすごみ」に書かれている文章を示します。ざっと読んでみてください。



出し方

■出し方
〇基本的な収集頻度
週2回
〇出す場所
決められたごみステーションへ出してください。
〇出す日時
日程表をご覧ください。指定日の朝(8時30分まで)に出してください。
〇出す容器
丹波市指定ごみ袋「燃やすごみ用」をご利用ください。
〇出し方
①指定袋には名前を必ず記入してください。
②正しく分別してください。(他の分別区分に該当するものを入れないでください。)
③生ごみなどの水切りをしっかりしてください。
④食用油など液状のものは、新聞紙などに染み込ませてください。
 (廃食油は、できるだけリサイクルに出してください。)
⑤重量が重すぎないよう(最大 10kgまで)にしてください。
⑥袋の口はしっかり結んでください。※指定袋に入らない大きさのものや多量の場合は、『直接搬入』するか『粗大ごみ』として出してください。
(直接搬入は地域ごとに曜日指定があります。)

■お願い
新聞、雑誌・雑がみ、段ボールは、できるだけ資源集団回収に出してください。

■収集された「燃やすごみ」は?
丹波市クリーンセンターで、焼却処理されます。焼却時に発生する熱を利用して電気を発生させ、施設内で利用する電力として使用します。

■注意して欲しいこと
〇水切りはしっかりしてください。
→水切りされずに袋に水が溜まっている。
〇きっちり分別してください。缶は『かん』の分別区分です。
→『燃やすごみ用』の袋に缶が入っている。

■丹波市指定ごみ袋「燃やすごみ用」
指定袋はお近くのスーパーなど取扱店で購入してください。
(大)10 枚1組 800円
(中)10 枚1組 600円
(小)10 枚1組 400円

■守っていただきたいこと
〇紙おむつの便は取り除いてください。
〇ベルトの金属製バックルなど取り除けるものは取り除いてください。
 (金属製のバックルは『金属類』)
〇指定袋の口はしっかり結んでください。
 (しっかり結べる程度の量にしてください。)
〇重さが 10kg までになるようにしてください。
〇食用油など液状のものは新聞紙などに染み込ませてください。
〇マッチや花火は水で湿らせてください。
〇他の区分に該当しないもので燃やすことができるものは『燃やすごみ』です。
〇生ごみは水切りを十分に!
→生ごみは多くの水を含んでいるので、三角コーナーや排水溝にたまった生ごみをギュッと絞るだけでもかなり減量することができます。

■このようなものは「燃やすごみ」とは違う分別区分です
〇即席うどんのアルミ箔以上の大きさのものは『金属類』
〇傘は布、ビニールと金属部分を分けて金属部分は『金属類』
〇紙パック、新聞、雑誌・雑がみ、段ボールは地域の集団回収に出すか、それぞれの区分で出してください。
〇洗って汚れていない衣類・古布は『古着類』
〇汚れていないプラスチック製の容器や包装は『プラスチック製容器包装』
〇1つの製品でも分別が必要です!
→例)カップめんは容器、包装フィルム、スープなどの小袋が『プラスチック製容器包装』、ふたは『燃やすごみ』と1つの製品でも分別区分が分かれています。マークをよく確認して分別してください。
 ※容器には「プラマーク」が付いていない『燃やすごみ』の製品もあります。



 なぜこの文章がわかりにくいかと言うと、モレがあったりダブりがあったりで体系立てて整理されておらず、頭の中に入れにくいからです。だから市民に理解を求めるならば、市役所としては「モレなくダブりなく全体を分けて整理した状態」で情報を届けることが重要です。


 この「モレなくダブりなく全体を分けて整理すること」を「MECE」と言います。「MECE」 とはMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとったもので、意味は、

Mutually( 相互に)
Exclusive(重複せず)
and Collectively(全体として)
Exhaustive(漏れがない)



 つまり、「モレなくダブりなく全体を分けて整理すること」になります。



 先ほどの「ごみ分別アプリ」の説明文をMECEの概念に則って指摘するので、【資料⑤】【資料⑥】【資料⑦】をご覧ください。

資料⑤ 「生ごみの水切り」の話が3カ所に散らばってダブっている


「分別」の話は6カ所に分散


「分別」の中でも「資源集団回収」の話は、内容がダブっているうえに「古着類」がモレてしまっている・・




 それらを踏まえて、様々なダブりを取り除き、モレを補填すると、例えばこのようになります。こちらの文章の方がスッキリして理解しやすいと思いませんか?



出し方

■基本的な決まり
◯収集頻度
週2回

◯出す場所
決められたごみステーションへ出してください。

◯出す日時
日程表をご覧ください。指定日の朝(8時30分まで)に出してください。

◯出す容器
丹波市指定ごみ袋「燃やすごみ用」をご利用し、必ず名前を記入してください。指定袋はお近くのスーパーなど取扱店で購入してください。

(大)10 枚1組 800円
(中)10 枚1組 600円
(小)10 枚1組 400円

※指定袋に入らない大きさのものや多量の場合は、『直接搬入』するか『粗大ごみ』として出してください。
 (直接搬入は地域ごとに曜日指定があります。)


■分別回収にご協力ください!
正しく分別してください。そのうえで、他の区分に該当しない物で燃やせる物が『燃やすごみ』です。

◯『燃やすごみ』と間違えやすい物の例
・汚れていないプラスチック製の容器や包装は『プラスチック製容器包装』
・洗って汚れていない衣類・古布は『古着類』
・即席うどんのアルミ箔以上の大きさのものは『金属類』

◯1つの製品でも分別が必要な場合があります!
・傘は布、ビニールと金属部分を分けて、布、ビニールは『燃やすごみ』、金属部分は『金属類』
・ベルトの金属製バックルなど、取り除けるものは取り除いてください(金属製のバックルは『金属類』)
・カップめんは容器、包装フィルム、スープなどの小袋が『プラスチック製容器包装』、ふたは『燃やすごみ』と1つの製品でも分別区分が分かれている場合があります。マークをよく確認して分別してください。

◯資源集団回収をご活用ください!
紙パック、新聞、雑誌・雑がみ、段ボール、衣類は、できるだけ資源集団回収に出してください。


■その他注意点
・紙おむつの便は取り除いてください。
・指定袋の口はしっかり結んでください。
 (しっかり結べる程度の量にしてください。)
・重さが 10kg までになるようにしてください。
・食用油など液状のものは新聞紙などに染み込ませてください。(廃食油は、できるだけリサイクルに出してください。)
・マッチや花火は水で湿らせてください。
・生ごみは水切りを十分に!
→生ごみは多くの水を含んでいるので、三角コーナーや排水溝にたまった生ごみをギュッと絞るだけでもかなり減量することができます。

■収集された「燃やすごみ」は?
丹波市クリーンセンターで焼却処理されます。焼却時に発生する熱を利用して電気を生み、施設内で利用する電力として使用します。



 このMECEを活用した文章の整理の仕方にご興味のある方は、実際にこの「ごみ分別アプリ」内文章を修正していったこちらの動画をご覧ください。修正の流れやコツが掴めるかと思います。






 「ごみ分別アプリ」からもう一つ例を出します。「古着類」として出せる「主なもの」には以下の記載があります。


例)肌着、フェイスタオルやバスタオル、シーツ、冬用シーツ、帽子、靴下、ハンカチ、スカーフ、マフラー、毛布(ウール製、アクリル製)、タオルケット、レースカーテンを含むカーテン類、再利用できる皮革衣料品など



 これもグループ分けができておらず抽象度も合っていないのでぐちゃぐちゃしています。そこでまず似たもの同士でグループ分けしてみます。



肌着、帽子、靴下

ハンカチ、スカーフ、マフラー、

フェイスタオルやバスタオル、

シーツ、冬用シーツ、タオルケット、毛布(ウール製、アクリル製)、

レースカーテンを含むカーテン類、

再利用できる皮革衣料品など



 そして次にそれぞれのグループの共通点を抜き出してタイトルをつけてみます(つまり抽象化)。



●直接肌に触れる衣類
肌着、帽子、靴下

●装飾衣類(?)
ハンカチ、スカーフ、マフラー、

●タオル
フェイスタオルやバスタオル、

●寝具
シーツ、冬用シーツ、タオルケット、毛布(ウール製、アクリル製)、

●インテリア製品
レースカーテンを含むカーテン類、

●・・・
再利用できる皮革衣料品など



こんな感じでしょうか。



 さてここからそれぞれの具体例の表現方法について考えます。



●まず「フェイスタオル」と「バスタオル」というタオルの具体例が載っていますが、では「ハンドタオル」はどうなんでしょう?これは「ごみ分別辞典」にも掲載されていなかったので丹波市クリーンセンターに問い合わせてみると、「ハンドタオル」は古着類に出すべきものだそう。

 ということは、ここに記載されている例から「ハンドタオル」がモレていました。具体例はイメージ化しやすいので大切ではあるんですが、あまりに具体化しすぎると専門領域に入り込みすぎて、こうしてモレが発生しやすいのです。従って、この「フェイスタオル」「バスタオル」は抽象度を上げて「タオル」と表現してしまえば「ハンドタオル」を含みますし、モレません。市民からしても「タオル」で十分イメージもできるでしょう。



●また「シーツ」に関して、「シーツ」よりもさらに具体化した「冬用シーツ」が並列に書かれている意味がよくわかりません。そこまで具体化する必要はあるのでしょうか?じゃぁ「夏用シーツ」は出してはいけないのか?と、過剰な具体化はモレを起こし理解を阻害するだけでなく、無駄に文字数を増やします。これは「シーツ」で十分だと思います。



●「毛布(ウール製、アクリル製)」とありますが、「ポリエステル製」や「シルク製」の毛布は出せないのか?という疑問が出てきます。この「ウール製」「アクリル製」は例示で書かれているのか、それともこれらの素材に限定して回収しているのか、これだけではよくわからないからです。

 「ごみ分別辞典」で検索してもわからなかったので、これも丹波市クリーンセンターに電話で確認しました。どうやら毛布に関しては回収を「ウール製」「アクリル製」に限定しているようです。それならばそう表現しないと、誤って対象外の毛布を回収に出してしまう市民もいるのではないでしょうか?



●「レースカーテンを含むカーテン類」に関しては、逆に出せない類のカーテンがあるのでしょうか?もしないなら、「カーテン」だけで十分理解できそうです。



●そして最後の「皮革衣料品」はそれ自体が抽象タイトルのようなもので、逆に「革ジャン」などの具体例がないとイメージしにくいです。他の例示では「冬用シーツ」のように過剰に具体化しているのに、ここだけ具体例なしで逆に抽象表現だけでは全体として抽象度が合わず、頭が混乱します。




 それらを踏まえて修正すると、



肌着、帽子、靴下、ハンカチ、スカーフ、マフラー、タオル、タオルケット、シーツ、毛布(ウール製、アクリル製に限る)、カーテン、革ジャンなどの皮革衣料品など

 

 この表現の方が頭の中が忙しくならないのでは?そしてこれで99文字から76文字へ、2割以上の削減です。





 さてここで先程の

「(保存版)笠岡市分別収集の正しい分け方」【資料②】
「(保存版)笠岡市家庭ごみの正しい出し方」【資料③】

をもう一度ご覧ください。これらの資料は具体と抽象のバランスを取ったうえでMECEができています。一部ダブる箇所はありますが、それでも最小限に抑えられています。

 美しいものにはムダがない。それは文章でも同じことです。そういう美意識があれば、B3両面で資源の分別からごみの出し方までを完結できるのです。市民にとって有益な情報がモレなくダブりなく詰まっています。




 とは言え、丹波市のパンフレットも一部では完璧にできています。

パンフレットの3ページ【資料⑨】


この分類はMECEできている



 このように体系立てて分類していけば、モレもなくダブりも出てきません。このような体系図が作られるんだから、あとは文章を作る時にもMECEを行えば良いだけです。こうして全体を体系立ててモレやダブりを防ぎながら文章を作れば、市民にもっと伝わりやすくなるはずです。



 そしてお気づきの方もおられるかもしれませんが、このMECEは1月の一般質問でお話した「具体と抽象」にも大きく関わる概念です。「具体と抽象」の概念を用いて考えることを「抽象思考」と言いますが、その「抽象思考」と「MECE」は、質の高い仕事をするうえで必要不可欠な概念ですから、今後の仕事を進めるうえで、ぜひ念頭においていただきたく思います。




●ポイント

・過剰な具体化はモレを起こしやすく混乱しやすいし、文字数が無駄に増える。
・具体例の不足はイメージがしにくくなる。逆に言うとイメージができたなら、それより多くの具体例は不要。
・ダブりを防ぐには、まずは似たもの同士のグループ化。




 続いて、最近私が目にした丹波市発行の文書で気づいた事例を2点挙げます。


例❶「丹波市子育てガイドブック」42〜43ページ【資料⑩】

MECEできておらず非常にわかりにくい「丹波市子育てガイドブック」42,43p




開館時間
●10時〜18時
(全館共通で曜日・祝日に関係なく上記の時間を開館しております)

休館日
●毎週月曜日(祝日の時は翌平日)


 先に曜日・祝日に関係なく10〜18時に開いていると言いながら、月曜は休みというのは「どっちやねん?」と、情報がダブっています。

 そもそも開館時間を記載する項目に曜日の情報を入れる必要がないので、この

(全館共通で曜日・祝日に関係なく上記の時間を開館しております)は削除

でよいのではないでしょうか?






中高生は学生証、生徒手帳でも可とします。


 中高生が持っているのは「生徒手帳」です。学生ではないので「学生証」自体は持っていません。ただしその「生徒手帳」は広義で「学生証」の扱いにもなります。だからここで「学生証」と「生徒手帳」を並列に並べるとスッキリしません。ダブっているので「学生証」を削除した方がモヤっとせず伝わりやすいと考えられます。


 また、この表記だと高専生がモレています。


 こうして人の属性がモレる事態は特に防がねばなりません。多くの場合は数的マイノリティが忘れられるわけですが、忘れられた人は疎外感を感じやすいものです。人によっては一種の差別を受けたかのような感覚に陥ることもあるので、公平性を担保すべき行政が人の属性を漏らすことはあってはならないことです。


 ちなみに中学を卒業して高校に入学すると「生徒」ですが、高専に入学すると「学生」ですから、高専生に対しては「学生証」を求めるのが筋です。(学校教育法において中等教育期間で学ぶ者のことを「生徒」、高等教育機関で学ぶ者のことを「学生」と呼ぶと定められています)


 従って、先程の表記は

・中高生は生徒手帳、高専生は学生証でも可とします。

または

・中高生、高専生は学生証でも可とします。

という表記だとMECEできてスッキリします。






●貸出冊数 10冊(点)/1人
(図書・紙芝居・雑誌・視聴覚資料を合わせて10冊(点)まで)
CD・DVD・ビデオ・カセットなども借りることができます。


 ここは貸出冊数についての情報を載せる項目であって、貸し出すアイテムの種類について述べるべき場所ではありません。「貸出冊数」という抽象的なタイトルの下には、それに付随する具体を載せないと読む側の人の頭が混乱します。従ってここでは

CD・DVD・ビデオ・カセットなども借りることができます。


という情報は不要です。


これは42ページの冒頭にある

DVDなどの視聴覚資料


と親和性が高いので、そこにまとめる方が理解が進むと考えられます。


また

CD・DVD・ビデオ・カセットなど


と、ここまで具体を羅列しなくても十分イメージがつくはずですので、文字数を減らすためにも「ビデオ、カセット」は削除でよさそうです。


丹波市立図書館では、市内の6館で約41万冊の資料の他に、約3200点のCDやDVDなどの視聴覚資料も所蔵、貸し出ししております。




返却期限内で予約がなければ、電話で一度だけ延長することができます。


 この日本語だと電話でしか延長の連絡ができず、直接行くなどの他の手段がモレています。従って、

貸出期間は原則14日以内ですが、他の予約がなければ一度だけ延長することができます(延長申請は電話でも可)

このように修正すべきではないでしょうか。




貸出・返却
●利用は無料です。


 ③と同様、「貸出・返却」というタイトルの下に利用料の話は適切ではありません。


また42ページの冒頭に

1枚の利用者カードで、市内6館全ての図書館がご利用いただけます。


と「利用」に関しての記載があるので、そこにまとめる方が「利用」に関してモレなく表現できて良いのではないでしょうか。

1枚の利用者カードがあれば、市内6館全ての図書館が無料でご利用いただけます。



【返却】
●市内のどの図書館でも借りることができます。(返却時には、利用者カードは不要です。)
利用しやすい図書館へ返却いただけます。


 「市内のどの図書館でも借りることができます。」と「利用しやすい図書館へ返却いただけます。」は内容が完全にダブっています。従って

「利用しやすい図書館へ返却いただけます。」は削除

で良いのではないでしょうか。







山南図書館と市島図書館の住所表記について、いずれも「丹波市」を削除。

 山南と市島だけ「丹波市」という情報がダブっています。



 ちなみに、この「丹波市子育てガイドブック」全体で見ると、住所表記に「丹波市」が入っている場合と入っていない場合が混在しています。


 同様に、市外局番の「0795」も入れたり入れなかったり。


「丹波市子育てガイドブック」39ページ【資料11】 市外局番0795がダブっています


入れるんだったらほとんどの奇数ページ下段にある


丹波市の市外局番は0795です


という表記は不要です。




 あるべき場所に情報がない、また複数箇所に重複して情報が散らばっている状態では、人の理解は促進されません。特に時間や気持ちに余裕を持ちにくい子育て中の親に対して、このような整理されていない情報を渡すのは気の毒でなりません。

 忙しい時でもストンと理解できるくらいまで、まずは市役所内で情報を整理してから市民に届ける姿勢が求められると思います。





例②「新型コロナワクチン接種のご案内」【資料12】


ネット予約がモレているコロナワクチン接種の案内


2)予約する
丹波市が設置する新型コロナワクチン予約センター(電話 0570-088-091)までお電話ください。ご希望を確認させていただき、予約を承ります。詳細日程は、広報たんば、丹波市ホームページ、新聞折込等でお知らせしますのでご覧ください。


 この文章だけから考えますと、予約の方法は電話一択になります。「ネット予約」がモレているからです。

 私の友人もそうでしたが、この文章を信じ切って初日に電話をし続けた市民がどれほどおられたか。当時電話回線が混雑した要因は、市民の焦りだけではありません。市役所がMECEできていない情報を出したことも要因なのです。

(ただ、当時は様々なことが二転三転したので、もしかしたらこの文書を作られた時には「電話一択」だったのかもしれません。MECEの概念がない人が文章を作ると他にも随所にMECEできていない箇所が散見されるものですが、この文書においては「ネット予約」のモレ以外は問題を感じません。)

 このようにMECEのできていない情報というのは、時として市民を混乱に陥れます。市役所からの情報発信はそれほど大きな影響を与えるものと認識していただきたいし、だからこそ日頃からMECEを強く意識していただきたいです。






●情報発信の手段:各情報発信媒体の特徴を活かして有効活用を

・市役所から市民に向けた各情報発信媒体のカテゴライズ


 市役所から市民に向けた情報発信媒体を無造作にリストアップしてみました。

・丹波市ホームページ
・ライン
・防災無線
・Facebook
・Youtube
・広報たんば(まちいろ)

 これらの媒体を【早い(手軽)⇄遅い(面倒)】【見える(残る)⇄見えない(残らない)】の2軸でマトリックスを組んで整理すると、【資料13】のようになります。


ちなみにこの図ではツイッターがモレていますw



 このうち、今回提案したいのは防災無線とLINEのコンビネーションについてです。




・見えない防災無線と見えるLINEで周知を補完

 当然ながら緊急性の高いものは「早い」カテゴリーの媒体で情報発信する必要があります。

 最近の防災無線では、丹波市内でもコロナ陽性者が急増していることや、ワクチン接種において「ワクチン接種は必ずできるから落ち着いてください」という林市長直々の呼びかけなども放送されました。

 こうした緊急性の高い話題はいち早く市民に伝える必要があるので、防災無線という手段を用いることは賛成です。


 しかし一方で、防災無線は目に見えない、残らないという特徴があります。録音機能があるとは言え、家族全員がモレなく聞き逃さない媒体とは言えません。

 また、ただでさえ聞き取りにくい音質ですから、聴覚に障害がある方などは正確に情報を得ることが難しいというデメリットもあります。


 そこで、防災無線で発信する情報の中で、緊急性、重要性が高い話題に関しては、同じく「早い(手軽)」カテゴリーに属しているLINEと連動させてはいかがでしょうか?【資料14】



防災無線の情報を、手軽で早いカテゴリーで、可視化できるLINEにも共有




そうすることで、

・防災無線を聞き逃した市民
・聴覚障害があって防災無線の内容を聞き取りにくい市民



に対して情報を届けられるだけでなく、LINEは情報が残るので、聞き間違いや忘却を防ぐことができます。



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