前川進介の政治日記

議会報告 2021.6.3

【令和3年6月一般質問の全文⑴】 ごみの分別が促進される施策について

ごみの分別が進んでいない理由は大きく2つあると私は考えています。


●分別が促進されていない理由① 市民が適切な分別方法を理解する環境が整っていないから


・「丹波市ごみ分別パンフレット」はわかりやすいがもう古く、市民が活用していないのでは?


 「丹波市ごみ分別パンフレット」(以下「パンフレット」)はごみ分別の全体像を把握しやすく、比較的わかりやすいと感じました。内容に重複している箇所が多々あり、もっとコンパクトすべきとは思いましたが、これは保存しておきたいパンフレットだと感じました。


丹波市ごみ分別パンフレット


 ただ、このパンフレットの発行は丹波市クリーンセンターが建設された平成27年で、市民への配布状況に関して窓口で問うと、

・自治会を通して全戸配布
・平成27年の1回のみ

とのことでした。配布はもう6年も前のことです。今では活用している市民はごく一部なのかもしれません。

 詳しくは後述しますが、丹波市のゴミの分別を促す情報媒体はこのパンフレットが最も見やすいと感じています。だから市民のごみ分別の理解を深めるためには、このパンフレットをもっと活用するか、もしくはもっと分かりやすい媒体を他に作るか、どちらかのアクションが必要だと私は考えています。




・毎年度全戸配布してある「丹波市ごみ分別・収集カレンダー」にも分別の記載を


 どうせなら毎年度配布されている「丹波市ごみ分別・収集カレンダー」【資料①】(以下「カレンダー」)に、「パンフレット」の内容を簡素化して掲載できないでしょうか?


表面右がわかりにく分別表記、表面左と裏面全面もカレンダー・・


 現状の「カレンダー」にも確かに「分別」の方法が書いてありますが、この表記は実にわかりにくい!

 このカレンダーは「分け方」が体系立てられて記されておらず、これだけでは適切に分別できません。その他にも情報の整理ができていない箇所が非常に多く、この内容で市民に分別の理解を求めるのは無理があると思います。

 この「カレンダー」は、表面の右半分に分け方や出し方が、そして左半分にカレンダーが掲載されていますが、なんと裏面にはまた同じカレンダーがデカデカと載っています。つまり表裏全体の4分の3がカレンダーなんです。まずは「分け方」が理解できないと分別して出せないので、その状態でカレンダーに紙面を割いても意味がありません

 だから毎年配られる「カレンダー」の紙面の割合を変え、分別方法をシンプルに記載すれば、市民のごみの分別への理解が進むのではないでしょうか?




・インターネットからわかりやすい情報が得られるように改善を


◯リンク切れでは情報に到達できない


 これまで紙媒体での改善を提案してきましたが、我々の世代は紙媒体よりもネットを使って情報収集することが多いです。

 ところが、環境課のウェブサイトに入り、左側のバナーの一番上「ごみ分別・カレンダー」の「ごみ分別」内「ごみの分け方と出し方について 2021年2月10日更新」をクリックすると、ごみの分け方には、


  詳しくは、「パンフレット」、「丹波市ごみ分別・収集カレンダー」でご確認ください。


との記載があり、下段の


関連リンク
丹波市ごみ分別パンフレット
丹波市ごみ分別・収集カレンダー


をクリックすると、結果はいずれも、


お探しのページを見つけることができませんでした。

リンク切れ


リンク切れです。至急改善を要望します。





 ちなみに、丹波市役所ホームページのリンク切れ総数を調査したところ、

リンク総数: 18,287    リンク切れ数: 118

でありました。(R3.5.21現在)


 リンク先には外部リンクも含まれるので、リンク切れが起こるのは仕方ないとも思います。しかしそれを放置するのは別問題です。

 そこで、例えば総合政策課が毎月定期的に調査し、リンクが切れていれば当該部署に連絡を入れるなどの対応を取ると、市民サービスが向上すると考えますが、いかがでしょうか?




◯詳しい分別方法を知りたい市民は6年前の経緯を知りたいわけではない

 もう一度環境課ホームページのトップに戻り、2つ目、「ごみカレンダー」をクリックすると、市内6地域のカレンダーのPDFがある他に、詳しい分別方法についてのリンクが貼ってありました。

 そこには


平成27年4月1日からのごみ改正のポイント
1 わかりやすい分別区分に統一します。
2 分別責任を明確にします。
3 「出しやすく」します。


と、もう6年以上前の改正点が掲載されています。改正前と比べると改善できたのかもしれませんが、そんな6年前の比較を、今ごろウェブサイトに掲載しても無益です。

 総じて、分別に関して市民が欲している情報ではなく、行政側が訴えている内容と市民が欲している内容にズレが見受けられます。

 ホームページはごみ分別が促進されるような情報のアップデートが必要なのではないでしょうか?




◯Youtubeはフルバージョンの他にコンパクトバージョンを作ってみては?

 また「新しいごみ分別方法について(動画)」というyoutube動画へのリンクもあります。

 その動画の内容は悪く無いと思いますが、動画の長さが30分もあって、ごみの分別を理解しようというモチベーションだけで最後まで見切れるかどうか疑問です。

 そこで質問です。

 ごみ分別の理解を促す動画の要約版を5分程度で作れないでしょうか?ちーたんを登場させなくても、お金をかけて編集しなくても、情報さえ整理できていれば林市長がフリップを持ちながらテキパキと説明されるだけで十分かと思います。




◯PDFが細かく分かれすぎて読む気になれない

 前述のサイトには、「パンフレット」がPDF化されたリンクが貼ってありました。

 しかし、これがまた見づらい。36ページのパンフレットを18分割してあるので、全体を理解しようとすると18回もPDFを見て戻って、を繰り返さなければなりません。合計36クリックです。


パンフレットが18分割


 私はここまで分ける必要を感じません。仮に分けるとしても、例えば


・ごみの分別区分と収集日程
・各ごみの分け方、出し方の詳細
・その他がれきや粗大ごみ、家電などの出し方
・ごみステーションなど地域での活動


のように、大きく4つくらいのカテゴリーを作って、まとめてPDFをアップしてはどうでしょうか?




◯「ごみ分別アプリ」では分別の体系立てた理解が困難


 さて、カテゴリーの中の最後の項目、「ごみ分別アプリ」についてです。

 このアプリはカレンダー機能や「ごみ分別辞典」での検索機能があって、スマホでチェックできる手軽さが現代にマッチしていると思います。



 ただ一方で、各ごみの説明書きが体型立てておらず、非常にわかりづらいです。

 これは「パンフレット」の内容をコピペしただけだと思いますが、A4サイズで配置なども考慮しつつイラスト付きで書いてあるパンフレットのテキストを、イラストもなければ配置の工夫もせずにコピペしてスマホ画面に映したところで、わかりやすくなるはずがありません。

 これについては「⑵丹波市が情報発信する内容と手段の改善」で詳しく説明しますが、せっかくアプリを開発しても、書いてある文章がわかりづらいと適切な分別行動に至りません。もっと活用しやすいように表現を修正していただきたいです。




・ごみを出す市民が絶対に目にするごみ袋本体で訴求する

 最後にごみ袋本体について。ごみを出す市民が絶対に目にする唯一の物は、ごみ袋そのものです。パンフレットやネットを見ない市民でも、ごみを出す以上ごみ袋は絶対に目にします。



 現状では「燃やすごみ用」の袋に

この袋には「燃やすごみ」のみを入れてください。


と分別を促す記載がありますが、下の方に小さく書かれているだけで目立たないし、訴求力としては弱いと感じます。

 そこで、例えば


(紙マーク)や(プラマーク)が付いている資源は分別回収にご協力ください!


とデカデカと上段に書くなどすれば市民の目に留まり、「燃やすごみ」への混入を少しでも削減できるんじゃないでしょうか。

 しかもこの変更は袋の版を変えるだけなんで、たいしたコストもかかりません。




 また「プラスチック製容器包装用ごみ袋」に関して現状では

この袋には「プラスチック系のごみ」のみを入れてください。


とこれまた下の方に小さく書いてありますが、その「プラスチック系のごみ」が何を指すのか理解できていない市民もいると思います。

 この表記は平成27年まではプラスチック全般を受け入れていた名残だと思うのですが、分別区分を変えたんだから、併せてごみ袋の表記も変えた方が市民への周知が進んだんじゃないでしょうか?

 だからこれはもう袋の名前を変えるべきだと考えます。「プラスチック系のごみ用」という昔ながらの曖昧な表記ではなく、「プラスチック製容器包装 専用袋」などの方がストレートでわかりやすいと思います。





●分別が促進されていない理由② 分別への理解があってもストレスなく搬出できる体制にないから


・資源ごみの回収頻度の改善


 (これは以前に生活環境部長と話をしている中で触れられていたので、今後はこの方向で取り組まれるのではと思っておりますが)資源ごみの分類が理解できたとしても、資源ごみの回収頻度を上げないと家庭内の置き場に困って「燃やすごみ」に混入される可能性が高まると考えられます。

 特に毎月は収集がない


・紙パック、蛍光灯、電池類(2ヶ月に1回)
・新聞、雑誌・雑がみ、段ボール(3ヶ月に1回)
・古着類(4ヶ月に1回)
・ビール・酒のリターナブルびん(4ヶ月に1回)


の分類の中で、スーパーや酒屋、それに街頭に設置してある資源回収ボックスで引き取ってもらえず、火をつけたら燃える


・雑がみ(3ヶ月に1回)
・古着類(4ヶ月に1回)


に関しては「燃やすごみ」に入れられる可能性が高いと考えられます。ですのでこの2分類の回収頻度を上げることは、家の中がスッキリして市民生活が向上し、結果的に「燃やすごみ」の減量化にも繋がるのではないでしょうか?




・各支所や大型商業施設に資源ステーションの設置を

 回収頻度をそう簡単に上げられないのであれば、市民がいつでも捨てに行ける場を身近なところに用意するのも一つの手です。

 例えば市役所各支所に「雑がみ」と「古着類」の資源ステーションを設けて常時搬入を受け付けることができたなら、分別行動が促進されるかもしれません。

 また各支所だけでなく、例えばゆめタウンやコモーレなどの大型商業施設への設置を依頼するのもアリだと考えます。

 そしてそこでは「雑がみ」「古着類」以外の分類に関する適切な分別の情報も用意して、市民の分別への理解を深めることもセットに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 一人でも多くの市民が、適切な分別への理解を深め、分別された物をストレスなく出せる環境が整えば、結果として「燃やすごみ」の総量が減るはずです。






●岡山県笠岡市の例

 妻の実家がある岡山県笠岡市のごみ処理運用について義母から聞いた内容が、丹波市にとっても参考になりそうだったので、その事例を紹介します。


・資源回収頻度は丹波市の6〜8倍

 先ほど丹波市において


・雑がみ(3ヶ月に1回)
・古着類(4ヶ月に1回)


の回収頻度を上げるべきでは、という話を出しました。

 「(保存版)笠岡市分別収集の正しい分け方」【資料②】によると、笠岡市の場合は、


・「雑がみ」は「古紙類」として毎月2回の回収
・「古着類」は「布類」としてこれも毎月2回の回収


です。丹波市で3ヶ月に1度、4ヶ月に1度の回収頻度が毎月2回ですから、6倍8倍の差があります。やはり丹波市の資源回収頻度は再考の余地ありだと考えます。




・「資源の分け方」と「ごみの出し方」がB3の1枚に

 さて、今一度

「(保存版)笠岡市分別収集の正しい分け方」【資料②】
「(保存版)笠岡市家庭ごみの正しい出し方」【資料③】

をご覧ください。(PDFをご覧になりたい方はこちらの笠岡市ホームページにアクセスしてください)


笠岡市分別収集の正しい分け方


笠岡市家庭ごみの正しい出し方


 これはB3の用紙の表裏に記載されていて各戸に配布されています。丹波市のA2サイズで作られた「丹波市ごみ分別・収集カレンダー」より小さいサイズです。カレンダー自体の記載はなく、市民が回収の曜日を書き込む仕様になっています。



 そして表面の「(保存版)笠岡市分別収集の正しい分け方」【資料②】は、資源の分け方と出し方が書いてあります。

 次に裏面の「(保存版)笠岡市家庭ごみの正しい出し方」【資料③】は、資源にならないごみの分け方と出し方が書いてあります。ごみ置き場に出せない粗大ごみなどの情報まであります。

 だからできるだけ表面の分類で資源として出して、そこに入らないものだけを裏面の分類でごみとして出してください、ということになり、非常に分かりやすいです。



 さらに着目すべきは丹波市で言うところのパンフレットの主な役割をこのB3一枚の用紙だけで表現しきっていることです。

 それが実現できている要因の一つに、情報のまとめ方が秀逸であることが挙げられます。具体的に言うと

・モレが無ければダブりもない
・情報量の割に文字量が少ない

つまり文章に無駄がないからこそ、コンパクトに情報がまとめられているのです。




 それを踏まえ、2問目の

⑵丹波市が情報発信する内容と手段の改善

に移ります。



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