前川進介の政治日記

議会報告 2023.7.20

「しくじり先生」だから、子どもの権利を守りたいのだ!

今日の午前中は、鬱で苦しい思いをされておられる方にオンラインでカウンセリングをしていました。かなり久しぶりのカウンセリングでしたが、クライエントの思考と感情の整理のお手伝いができたようで、90分の対話の後は、目の前の視界がずいぶんと開けてきたと、明るい表情でおっしゃいました。ひとまずホッとしました。

私は十年ちょっと前に鬱を発症して、そこから復活を目指す過程で鬱のメカニズムを自分なりに研究してきた経緯があります。だから、人が鬱になる思考や環境に関してある程度の理解があって、カウンセリングにおいても鬱対策に効果的な言葉がけができるのかもしれません(もちろん百発百中ではないですよ)。

鬱になった人に対してはこのようにカウンセリングを施しますし、それは私の一つの収入源でもあります(5,000円/30分)。だけど、私はこの仕事を儲けたいからやっているのではなくって、その人にもっとラクに自分らしく生きてもらいたいからやっています。なんなら、そもそもは誰にも鬱になってもらいたくないないんですよ。

じゃぁ鬱にならないためにはどうしたら良いかと言うと、子どもの頃からの自己肯定感を高めればいいんです。それを小難しい表現に変えると、子どもの権利を守ってやることに他なりません。子どもの権利を守ってやると自己肯定感が育まれ、将来にわたって自分らしく強くしなやかに生きていけるようになるんです。「三つ子の魂百まで」と言いますが、人は大人になってからでも、幼少期からの子育ての影響をめっちゃ受けているもんなんです。

このブログでも何度か登場してきますが、要はこの「自己肯定感ループ」を上向きに回すことですね。「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」という4つの子どもの権利を守ってやると、このループが上向きに回っていき、自己肯定感が育まれていきます。

自己肯定感ループ!


そんな自己肯定感高く、自分らしく生きる人がゴロゴロいるような地域社会を創りたいから、2年前から市議会議員になって政治の手法でアプローチしています。昨年6月議会で立ち上げた「子どもの権利に関する理念条例調査研究特別委員会」で、子どもの権利を守るような条例を制定しようと活動しているのは、こども家庭庁ができたからやっているんじゃないんです。最近子どもの権利が流行っているからやっているわけでもない。私のように鬱で苦しむ人をこれ以上生み出したくないから、自己肯定感が育まれるように社会の制度を変えていこうとしている、それが私の動機です。

議員のことを「先生」と呼ぶ人がいらっしゃいますが、それで言うなら鬱でドン底を味わった私なんて「しくじり先生」ですよ(笑)

当時の選挙中のビラの下段には『子育てハッピーアドバイス』著者の明橋大二先生から推薦文をいただきましたが、この当時から先生には「当選したら子どもの権利条例を作ります」と約束していました。条例化は、この任期中の私の最大の使命だと捉えています。

子どもの権利条例制定は、明橋先生とのお約束



さて、この特別委員会も立ち上げてから1年が経過しました。その間、専門家を招聘して研究したり、委員だけで勉強会を開いて学びを深めたりしてきたこともあり、いよいよ条例の骨格らしきものが見えてきたように感じています。

ただ、現段階では欠落している側面があるんです。それは、子ども自身の話を聴くこと。これまで特別委員会では専門家や行政職員と議論を重ねてきましたが、子どものための条例ですから、やっぱり子ども自身の話を聴かないとね。

そんなわけで8月1日に、この特別委員会が主催して「第2回 こどもまんなか会議」を開きます。「自分が大切にされていると感じるとき」をテーマに、子どもたちと対話をしたいと思っています。

あんまり大切にされているとは思わんなぁ、ということであれば、逆に

「頭ごなしに否定せんとって」
「話は最後まで聞いて」
「勉強しなさいって言うからヤル気無くなるねん」

などなど、日頃の思いをぶっちゃけてもらえても、おじさんは嬉しく思います。

また、特別委員会ではファシリテーション研修を受けて各委員たちは聴く姿勢を身につけてきましたが、それでも議員が相手だと子どもたちは身構えるかもしれません。そんな子どもたちのために、市内の大人たちによる「丹波市 こどもまんなか会議サポーターズ」が結成されました。意見を言いたいけど言えないかも?という子どもの背中をそっと押してくれる大人たちと一緒になって、和気藹々と会議を進めたいと思います。このブログをご覧くださった大人の皆さん、どうか子どもたちの参加を促してあげてください。

第2回 こどもまんなか会議



さて、今丹波市では不登校の児童生徒の数が113人(令和3年度)と推計されます(令和5年度 丹波市教育実施計画に記載の不登校出現率より算出)。令和元年は70人くらいだったのに、コロナ禍もあってか、たった2年で急激に増えました。

「不登校=悪いこと」では決してありませんが、将来的に鬱や引きこもりに繋がるケースもあるのではないかと、この社会現象を私は危惧しています。市議会議員としてあと1年ちょっとの任期となりました。子どもの権利が守られる地域社会の実現に向けて、「しくじり先生」はラストスパートをかけていきます!私みたいにしんどい思いをせんとってほしいから!

記事一覧