前川進介の政治日記

一般質問 2022.6.6

【6月一般質問】1.  新・山南運動公園を起点とした過疎対策

新公園を「機能移転」ではなく「過疎対策」で考えるべき


薬草薬樹公園と和田中学校の土地建物を統合して造る「新・山南運動公園(仮称)」は、山南中学校建設に伴い取り壊された「山南中央公園」の機能を移転することをベースとして計画されてきている。

そんな中、少子化に歯止めがかからない山南地域は、令和4年度より新たに過疎地域に指定され、今後、交流人口、関係人口、移住者を増やすなどの過疎対策が急務であることが明らかとなった。

また地理的条件から考えると、「新・山南運動公園」から高速道路までは西にも南にも約20kmの距離があり、このエリア一帯(北播磨地域、神河町、市川町、福崎町等)は比較的遠出ではなく近場で遊べる場所に流れる傾向があると推察される。そのため、このエリアからの交流人口を増やす起点として、丹波市の入り口にある「新・山南運動公園」が機能することは、地理的条件から見ても想像に難くない。

つまり「新・山南運動公園」は、従来の方針であった「市民ニーズを満たすための機能移転」という捉え方から、「市外からの交流人口や移住者を増やす起点」という捉え方に方針転換し、過疎対策を念頭に置いたデザインにしたうえで着工することが、費用的にも運用的にも合理的であると考えるが、市長はどう考えるか?



過疎対策ソフト事業案


地域資源である既存の施設と何かを掛け合わせるだけで、地域を活性化させるソフト事業がいくらでも考えられるため、その具体例を示す。これらのできるだけ多くを実現していただきたいが、市長はどう考えるか?


薬草風呂×テニスコート


大きな温浴施設と併設されているテニスコートは県内でも希少であり、それだけでも市外からの交流人口を増やす好材料となる。公園内に飲食店やBBQ施設がある他、公園の近くには合宿利用が可能な民間宿泊施設もある。

今現在計画されている「子どもが遊べる施設」が今後さらに増えるとなると、ファミリー層のテニス合宿利用が大いに期待でき、子育て世帯が1泊2日で丹波市内に滞在・交流するキッカケを作ることができる。

市内の滞在時間が長ければ、それだけ地域経済に潤いをもたらすとともに、市内での交流に良い印象を持つことができれば、そこから関係が深まり、移住を希望するファミリーが出てくることも期待できる。

しかし従前の「機能移転」の方針ではテニスコートは2面しか建設されない。山南中央公園時代から毎週土曜の午後は地元のテニスサークルが決まって2面を借り切って活動していることを考慮すると、一般的に土日に行われるファミリー層のテニス合宿利用は、このままでは現実的に不可能となる。

そこで、従来の方針であった「市民ニーズを満たすための機能移転」という捉え方から、「市外からの交流人口や移住者を増やす起点」という捉え方に方針転換し、最低でも4面の建設で計画できないだろうか?

4面あれば前述の合宿利用の他、大会を開くこともできる。例えば、丹波市民の他、このエリア一帯(北播磨地域、神河町、市川町、福崎町等)の県民も参加対象とした「丹波市長杯」を開催すれば、交流人口を増やす呼び水になることが期待できる。

もし手狭で場所の確保が難しいということであれば、薬草薬樹公園と和田中学校に挟まれた私有地などを購入することも視野に入れ、過疎対策の起点として再検討を願う。



過疎対策を考えると2面じゃ足りないんだよ・・(写真は氷上総合公園テニスコート)



薬草風呂×カヌー、カッター


山南地域には加古川と篠山川が合流するポイント「であい」があり、桜並木道を始め、特産物売店、展望台等が整備された「であい公園」(さんなん仁王駅)がある。

この地点のすぐ下流側には堰が設けられており、この「であい」地点は常に一定の水深、水量が確保されている。

そこでこの「であい公園」を、カヌーやカッターの練習ができるように整備してはどうか?当然川の中に入った後はお風呂に入りたくなるのは人の性であろうから、近くに温浴施設がある立地条件を活かせば、ニーズの掘り起こしは十分に可能だと考えられる。



赤丸の堰があるため、水色部分の水深が担保できている



薬草風呂×グランドゴルフ


今現在も薬草薬樹公園にはグランドゴルフ場があるが、8ホールしかなく、大会を開くには不足があり、稼働率が低い現状である。

しかし和田中学校のグランドと一体化して考えると、8ホール×2=16ホールが確保でき、大会を開いて今以上の集客をすることも可能となる。


薬草風呂×サイクリング


新公園を発着として丹波市内を周遊するサイクリングコースを設定し、サイクリングを楽しむ人を呼び込む。もちろん走り終えた後はお風呂に入って汗を流してお帰りいただく。


薬草風呂×キャンプ、RVパーク


薬草薬樹公園のすぐ近くにある民間宿泊施設の定員は30人で、それ以上の受け入れは難しい。そこで宿泊施設が不要で宿泊できるキャンプ場やRVパークをセッティングすると、この地域での滞在時間が長くなり、その分地域にお金が落ちる機会が増えると考えられる。

そこまでコストをかけなくても設置できる施設であるため、コストパフォーマンスが高い施策になると考えられる。


薬草風呂×メディカルウォーキングコース


薬草薬樹公園に植えられている薬草や薬樹は、剪定などの手入れが不十分な状況にある。今回公園を造り直すにあたっては、そのあたりの整備、管理も適切に行えるよう配慮すべきだ。

そして、整備された公園内に新たにウォーキングコースを設定し、健康・スポーツをテーマとしてフル活用すればよい。

それにあたっては、吹田市にある「健都 レールサイド公園」の取り組みが良い参考になる。ここでは利用者の体力や歩く目的に応じた、楽しく歩ける「メディカルウォーキングコース」がある。

・アップダウン!体力向上コース
・はじめよう!健康維持コース
・ぐるっとパークコース
・ゆったりマイペースコース

こうしたウォーキングコースを、例えば神戸薬科大から協力・監修を得ながら設置すれば、今は閑散として荒れている公園内に賑わいをもたらすことができるのではないか。

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